43歳で肺がん発覚した零細企業の社長の闘病記

久しぶりの健康診断でまさかの肺がんが…

初診

一応、最悪の事態を想定して病院を選んだ。


いくら多少会社も軌道に乗って来たとは言えまだまだ自分が会社を休んでいられる状態では無いから手術→入院となった場合には1日でも早い社会復帰をしなくてはならない。


その為には胸を大きく開けるよりも小さな穴を開けてやる胸腔鏡手術が絶対条件だった。


色々と調べてたどり着いたJ病院。


まずは呼吸器内科の診察。


健康診断した病院でもらった紹介状を手に朝一で診察予約。


でもさすがは大学病院。


予約より1時間半も遅れてやっと呼ばれる。



紹介状を手渡し、説明を行うとまずはこの病院でCT、レントゲン、採血をするとの事。



こんな短期間で放射線浴びて大丈夫なんか?



そして再度診察室へ。




医『う〜んここかぁ』



とCT画像を見ながら。


医師曰く、通常なら気管支鏡検査(鼻から管を入れて腫瘍の細胞を取って病理診断をする)をしてはっきりと病気を確認してから手術などの治療方針を決めるのだが私の場合、腫瘍の位置が悪く、この気管支鏡検査が出来ない場所にあるらしい。



医 『ここの病院はPET検査出来ないから近くのPET出来る所で検査しましょう』



で医師は看護師に指示をして1番早く出来る所を探してくれた。


医 『1番早くて12月24日です』


は?2週間も先?


これでもまだいい方で他は年明けになるそう。


とりあえず一旦予約をしてもらう事に。


医 『PET検査で光ったらガンと確定して手術をして腫瘍を取りますので』



俺 『先生、もしそうなったら手術はいつ頃になりそうですか?』



医 『うーん、早くても1月末じゃない?』



そんなに待つのか…



でもまだ肺がんの疑いと言うだけで決まった訳ではないからな。


と淡い期待を抱きつつ帰る事に。

病院選び

健康診断でまさかの肺がんの疑い。



これこそまさに晴天の霹靂。



20代、30代に比べ中年太りはしたものの、自分では至って健康と思っていた所に衝撃の事実。



とは言っても本当にがんなのかまたは良性の腫瘍なのかの正確な診断をしなくてはならない。



どこの病院が良いのだろうか?



とりあえずがんならがん専門の病院が良いだろうと思い国立がんセンターに電話。


しかし今回のような、がんの疑いでは診てもくれないとの事。。




とほほ。




ここで色々と考えて、最悪がんだと仮定して場合の治療法を調べると


手術


放射線治療


抗ガン剤治療


とわかり、さらに腫瘍自体が小さいなら外科手術になる可能性が高いらしい。


その外科手術も


開胸手術(胸を大きく開けて視野を大きくしながらの手術)


胸腔鏡手術(脇に穴を開けてカメラや器具を使いながらの手術)


当然、回復は傷が小さい方が早い。とは言えそれなりの技術がいる為どこでもやっている訳でもない。


胸腔鏡手術の実績や症例数、または病院として胸腔鏡手術を推進している所を探すと都内のJ病院が出てきた。


早速電話して初診の申し込みを行うと12月7日に診てもらえる事に。

健康診断

会社を辞めて独立して小さな会社をなんとか維持を4年6ヶ月。



会社員の時は年に1度は健康診断があり半ば強制で受けてはいたが(この時はコレステロールの値が高いのみ)独立してからそれどころではなく必死に働いていた。



おかげさまで少しは余裕も出て来たし、40歳も過ぎて身体のどこかにボロも出て来る歳かなぁと感じ平成27年12月4日に健康診断を受けてみる事に。



お酒は飲まないし(飲めないの^^;;)まぁ甘いものが好きだからメタボや運動不足は指摘されるだろうなーと軽い考え。



でも若い頃から喫煙者で(6年前に娘が産まれたのを機に禁煙)会社勤め最後の方は1日2箱とヘビースモーカーだったから胸部CTもオプションでと。(この判断が良かった、我ながら褒めてあげた)



身長、体重測定、採血、採尿、レントゲン撮って、血圧、腹囲測定、CTとここまで軽く1時間。



最後に医師に話しを聞いて帰るかなぁと。



どうせ、軽いメタボだからもっと歩けでしょ〜はいはい(ー ー;)


医 『ん?なんだこれ?』


俺 『は、はい?』


医 『ちょっと肺に腫瘍っぽいのがあるなぁ』


俺 『本当ですか?』


一気に心拍数上がるのが自分でも良くわかった。




医 『精密検査を受けないとハッキリは言えませんが、がんの疑いですね』




がん


がん


がん




俺が?もうタバコ止めてるのに?



嘘でしょ?



頭の中は?マークで埋め尽くされここから先の医師の話しはあまり入って来なかった。



医 『とりあえず早急に大学病院で精密検査を受けてください、お大事に』



こりゃヤバいぞ。


正真正銘の絶体絶命やん。


命の話やぞ。


しばらく病院の駐車場から出れませんでした。